見出し画像

生協DX学習会レポートvol.3~「情報システムの変革〜2025年の崖」~(後編)

こんにちは!DX-CO・OP note担当のさきむらです。
このnoteではウルシステムズの漆原茂さんを講師としてお招きした生協DX学習会の様子をお届けします!

▼前編はこちら

今回は、CO・OPの未来を担うマインド・文化の醸成について考えます。

【漆原茂 プロフィール】
ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長。
東京大学工学部卒業後、沖電気工業株式会社に入社。1989年から2年間スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員。2000年7月ウルシステムズ株式会社を起業。ULSグループ株式会社、株式会社アークウェイの代表取締役社長も兼任。

●若手に強引にブートキャンプやってみた

ソフトウェア開発は、既存のツールをうまく使って用途に応じた「型」(パターン)にはめることで、ベンダーに頼り切ることなくできるようになってきています。

本当にそんなことができるのかと思うかもしれませんが、先日試しに製造業と金融機関の若手のエンジニアを集めて強制的にブートキャンプをやってみました。「新規サービスは2カ月でこうやって作るものだよ」とだまして(笑)。そうしたら軽々と達成されてしまったのです。しかも1週間で1人10画面を作れてしまうというかなり高い生産性が見られました。

●日本人の真面目さが進化を遅らせた

日本のソフトウェア開発はかつて世界一だったといわれています。2003年時点でソフトウェアの開発量はインドの2倍で、バグは米国の1/20でした。

でもその後のイノベーションがうまくいきませんでした。それは日本人の真面目さからくるもので、慎重すぎてスピード感が出せず、技術は進化しているのにこれまでの型を手放せないという呪縛にかかっていたのです。だから先述のブートキャンプのように過去を知らない若手にやらせたら、高いパフォーマンスが出たんですよね。つまり、呪縛が解ければ素晴らしいパフォーマンスが出せるということです。

●CO・OPの未来を担うのは、マインド・文化の醸成

何より大事なのは、メンバーのマインドや文化の醸成、それをやり切れるチームをどう作るのかです。中長期的にパフォーマンスを出し続けるには、最適な文化やチームが必要不可欠です。まずはビジネスサイドと開発サイドが寄り添い、スピード感を持ってサービスを作れる環境づくり、そしてそのためにエンジニアは呪縛から解かれる必要があります。

また「B to B to C」のような新しいサービス形態になればなるほど、それぞれのチームが自分ゴトとして試行錯誤しながらやりつつ大きな枠は外れない「自立分散型」が求められます。そのためにはトップが「どこに向かっていくか」というビジョンをしっかり共有することが大事です。都市計画に例えると、幹線道路はどこに通すのか、ガス・水道はどうするかは皆で決めて共有していく。家と家の区画は決めるけど、家の中はチームごとに自由に決めてスクラップ&ビルドを繰り返し、3年経ったら躊躇せずガラリと変えてしまうことをやっていくと素晴らしいパフォーマンスでサービスが作っていけるのではないかと思います。

このようなチームや文化が、これからのCO・OPの未来を担うような真の企業価値に直結していると、私は考えています。

●未来に向けてのプロダクトまたはサービスを考えるグループワーク

漆原さんのプレゼンテーションの後、3〜5名でチームとなり「これまでの制約だらけのITから解放されたとしたら、未来に向けてどのようなプロダクトまたはサービスがあると良いと思うか」というお題でグループワークを行いました。

《代表的な発表内容》
■ユーザーを買い物や料理から解放するもの(冷蔵庫の中身が常にアップデートされていて、自動注文される。料理の傾向から自動的に調味料やレシピを提案する。イベントを把握して、来週運動会なら大入りのものをリコメンドするなど)

■シェアリングサービス、ネットワークを通じて貧困支援できたらいい。

■家族一人ひとりまで含めた1to1のサービス。結果的にデジタルだけど、デジタルに馴染みがない人にそれを感じさせない何か、そんな体験そこが究極のDXではないか。

■1週間の注文計画に課題を感じている組合員さんが多いため、注文からのリードタイムが短くなる何か。

■「あっさり系」など、テイストだけ教えてもらい勝手にカートに入れていく。

この発表を受け、漆原さんは「短時間でこれだけアイディアが出るのはすごいです。技術的に難しい部分もあるけど、全てできないこともないものばかりなので、片っ端からやればいいと思います。いまやツールもどんどん進歩しています。3年立ち止まると10年前のシステムを使っていることになるほどの進歩です。そこに怖さもあることは意識していくと良いと思います」とコメントしました。

*****

「情報システムの変革〜2025年の崖」いかがでしたでしょうか?
制約がないとしたらどんなプロダクトやサービスがあるといいかを話あったグループワークではたくさんのアイディアが出て、未来にわくわくを感じました!
そして結局大事なのはやりきる『マインド』であること。。困難があっても楽しみながらこれからも取り組んでいきたいと思います。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!