配布するカタログ数を半分にしても利用金額はほぼ維持!AI活用で一人ひとりに最適な配布をめざす「利用者配布」とは?
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配布するカタログ数を半分にしても利用金額はほぼ維持!AI活用で一人ひとりに最適な配布をめざす「利用者配布」とは?

日本生協連DX-CO・OPプロジェクト

DX-CO・OPプロジェクトの取り組みを紹介するシリーズ。今回は、組合員さんへのカタログ配布にAIを活用し、配布方法を変更する取り組みについて、DX-CO・OPプロジェクトもぎさんにインタビューしました!

<今回お伝えしたいこと(サマリー)>
・従来は、すべての人に同じカタログを届けるスタイルが中心
・それぞれの方に必要なカタログだけを届ける方法を模索
・AIを使った仕組みで、カタログ配布数50%削減に成功
・組合員さんは不要なカタログが減り、生協は印刷コストの削減、地球には 環境負荷軽減につながる取り組み
・全国の生協に広げていきたい

生協のカタログ配布のこれまで

生協では毎週、商品と一緒にその週に注文ができるカタログを数種類お届けしています。これまでは、すべての方に同じ情報を平等に提供することを重視してきましたが、なかには「不要なカタログまで届いてしまうので減らしてほしい」と感じている組合員さんもいらっしゃることがわかってきました。

生協はもともと、生活に必要な商品を共同購入することで価格を抑えて購入できる仕組みとして成長してきました。つまり、誰もが必要とする商品を購入するための場として出発しています。

1970〜80年代になると、販売商品カタログの配布が行われるようになったり、電算処理のできるOCR注文書が使われるようになったり、代金が口座自動引き落としになったりと、現在と近いシステムへ整ってきました。

時期を同じくして組合員さんの数はどんどん増え、生協に対する期待が高まっていきました。組合員さんが求める商品も多様になり、1990年ごろから家庭用品の分野でも洗剤・トイレットペーパーやラップのような消耗品だけでなく、化粧品のような嗜好性の高い商品まで取り扱いが広がっていきました。品目だけでなく、同一カテゴリーの商品でもお手頃商品から少しグレードの良いものまでを揃えていったのもこの時期です。

一般の通販カタログ配布と、生協のカタログ配布の違い

商品の幅が広がるとカタログの種類も増えていきます。すると、組合員さんによってはまったく必要のないカタログが手元に届いてしまう状況も増えてきました。

そのため、配布するカタログの種類(※)をパーソナライズしようという話も上がるようになります。しかし当時は、子育て系の商品や衣料品など一部のカタログのみ、必要ない場合に組合員さんから申告してもらう方法に限られていました。

すでに顧客ごとに配布カタログをパーソナライズして送付することを実施している通販会社もありましたが、これらは、衣料品やインテリア、電化製品などが中心でした。一方、生協は食品が中心であるため、ノウハウをそのまま取り入れることは困難でした。

電化製品の買い物は個人の嗜好が出やすく、また一度購入したら当面は買い換えることがありません。しかし、生協が取り扱う食品等の買い物は、誰もが同じように必要とし、日常的であるためアプローチの方法が異なり、生協独自の方法を探る必要があったのです。

※ 生協では、食品や日用品、衣料品など品目ごとのカタログ冊子のセットを毎週組合員さんに届けています。組合員さんはカタログを見てその週に購入する商品を注文します。

AIで注文予測して配布カタログを最適化!

そんな長年の生協の悩みを解消するためコープ東北で行った実証実験が、AIを使って「次にどんな商品が欲しくなるのか」を下記のように予測して配布カタログを決める取り組みです。

 1.食品や消耗品の購入の規則性から、次の購入タイミングの予測
例えば、牛乳を週に2本、トイレットペーパーを月に1回、水切りゴミ袋を半年に1回購入しているという履歴があれば、それを元に次の購入のタイミングを予測します。

2.過去には購入していないけれど、今後その人が買いそうな商品の予測
一般の通販サイトなどでもよく使われており、買い物傾向の近い人の購買履歴を元におすすめ商品を予測します。

  3.誰もが欲しくなる商品のおすすめ
生協組合員歴が短くこれまでの購買傾向が把握しづらい場合には、まずは多くの人にニーズのある商品をおすすめします。

どのような組合員さんがどのような商品を必要しているかを上記3つの方向から予測すると、組合員さんそれぞれに最適なカタログ配布を立案することができます。

カタログ数を50%減らしても、売り上げはほぼ落とさず!

生協のカタログは、各生協により異なりますが、1組合員あたり毎週平均10〜30冊配布しています。

今回コープ東北で実施した実証実験では、カタログの配布部数を約50%削減できる事例を作ることができました。この時点で、SDGsの視点からは資源削減につながる良い結果ではありますが、懸念として組合員さんが必要としているカタログが配布されないことと、売り上げが減ることがありました。しかし結果を見てみると、利用率は95〜97%を維持していました。

今後の運用の際に、希望のカタログが届かないという声をいただいた場合は、Webサイトから全カタログの閲覧と注文が可能であることをご案内できるようになっています。

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インタビューの最後に「今後はぜひ、同じ取り組みを全国のコープへ広げていきたいと考えています。どのような点を重視してカタログを配布するかは、それぞれの生協で異なると思いますので、各生協のカタログに対する思いや方針に合わせてアプローチしていく必要はあります。今回の成果や知見を全国へ広げ、多くの会員生協や組合員さんが恩恵を受けられるようにしていきたいと思っています。」と、今後についてもぎさんが話してくれました。もぎさん、ありがとうございました!

取り組みを説明してくれたもぎさん

みんなに同じ情報(=カタログ)を届けていたこれまでと、それぞれに合ったカタログ配布をしていきたいこれから。時代の変化と共に欲しい・必要な情報が異なってきていることを感じたと共に、ニーズに合ったものを提供していきたいと思いました。今回ご紹介した利用者配布の取り組みは、多様なライフスタイルの組合員さん一人一人に、それぞれの暮らしに寄り添うカタログが手元に届くことは、効率の良い買い物や、「これ欲しかった!」が見つかる嬉しい買い物につながる一歩目だなと思いました!
2022年度もDX-CO・OPプロジェクトは進んでいきます。今後もnoteで取り組み事例をご紹介していきますので、お楽しみに!


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