組合員の体験をより良くするDX推進に大切なこと 〜コープCSネット塩道専務理事インタビュー〜 (前編)
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組合員の体験をより良くするDX推進に大切なこと 〜コープCSネット塩道専務理事インタビュー〜 (前編)

日本生協連DX-CO・OPプロジェクト

全国各地の生協で、DXを考え、実務へ活かす取り組みを進めています。今回は、生活協同組合連合会コープ中国四国事業連合(コープCSネット)の塩道専務理事に、同連合のこれまでの取り組みや今後の展望について伺いました。

高齢化や人口減少など変化する社会を見据えて設立されたコープCSネット


――コープCSネット事業連合の概要や成り立ちを教えてください

中国地方と四国地方の事業連合で、中国5県、四国4県で構成されています。正式名称が「生活協同組合連合会コープ中国四国事業連合」と長いので、中国と四国の頭文字CとSをとってコープCSネットという略称で呼んでいます。

設立の背景には、この地域が抱える課題がありました。中国・四国地方は、全国的に見ても高齢化率が高く、人口減少も非常に激しいエリアになっています。さらに、独居世帯や2人世帯の構成比もどんどん増えており、市場の縮小も非常に顕著です。

そのような状況の中、今後、生協として地域にどう貢献していくかを考えたときに、生き残りのためには「戦略的に連帯していく必要がある」ということになり、2005年にコープCSネットが設立されました。


今回お話しをしてくれた、コープCSネット塩道専務理事

――この地域ならではの特徴や取り組みはありますか?

中国四国と一言でいっても、たとえば山陰と瀬戸内では気候も食文化も違います。同じ商品を扱っているだけでは、それぞれの暮らしに対応できないので、必要に応じて県別の細かいマーチャンダイジング(以下MD)を行っているケースがあります。

具体的には、四国では、「コープしこく事業連帯機構」という四国4県が任意で集まった団体でMDを行っている商品と、コープCSネットとMDを統合している商品があります。一方の中国エリアでは、食品と家庭用品のすべての商品でMDを統一しています。

※マーチャンダイジング(Merchandising):「商品化計画」「商品政策」と訳される。商品を顧客に適切に届けるための計画という意味がある。主に小売業界で使われている言葉で、「MD」と略される場合がある。

文化圏の違う2つの地域が一緒に活動しているので、統一しているところ・されていないところが複雑にからみ合っており、全国の事業連合の中でも、かなり変則的な形態になっていると思います。

変化していく社会やライフスタイルに合わせ、生協ができることを考えた


――コープCSネットとして感じている課題についてお聞かせください

私は以前から、生協はせっかく組合員さん一人ひとりの顔が見える形態をとっているのに、提供するサービスは均一で、商品提案においてそれが十分に生かされていないと感じていました。

それでも班で配送していた時代は、商品を届けに行くと、レジャーシートを敷いて仕分けをしながら、年上の組合員さんが若い組合員さんに「この商品いいよ」などの組合員さん同士の情報交換がありました。その場でのコミュニケーションから組合員さんは自分にとって必要な商品の情報が入手できたり、職員も組合員さん一人ひとりの状況を把握したり、ニーズを理解することができていました。

ところが、個別配送に切り替わったことでそのような機会は減ってしまいました。変化するライフスタイルに合わせられる個別配送が始まると、新規の組合員さんは増えているにもかかわらず、1人当たりの利用金額は落ちていきました。便利になったけれど、商品の情報交換をする機会が減り、その結果、私たちは自己矛盾を起こしているように感じていました。

――そのような課題意識に対して実施した取り組みを教えてください

時代の変化に合わせて個別配送を進めていくことは不可欠ですが、一方で、組合員さんの生活に寄り添う商品や買い物提案をどのように維持していくかの議論がなされないまま進んでいる状況が続いてました。

そこで、組合員さんそれぞれのニーズに対してどのようにアプローチするかを考えて、生協内でも共有する取り組みを進めました。具体的には、システム側で把握できる利用状況に加えて、定性的なデータを手書きの台帳のような形で記録してもらい、担当者が変わっても引き継がれるようにする仕組みづくりなどを行っています。

また、同じ商品でも、購入時に参考とする情報は異なります。これにも対応できるよう取り組みを進めています。例えば、食品を購入する時、子育て中の組合員さんは原材料安全性や価格を気にされる方もいますし、自分の健康維持が気になる組合員さんであれば、カルシウムが含まれる量などの栄養情報が気になるかと思います。

そのため、商品のお知らせも一律で同じ情報を届けるのではなく、個別に考えていくことが必要です。しかし現状では、一律で同じ情報を届けることしかできていないので、それを補うものとしてターゲットチラシを導入するなどの試行錯誤も続けています。

――OCR注文票も刷新されたとのことですが、これはどのような経緯だったのでしょうか?

高齢の方から、文字だけの注文票は見づらいというご意見があり、何とかできないかと前々から考えていました。これまでも、商品名を短くしたり、文字の大きさを工夫したりという対応はしていたのですが、より根本的な解決方法として、商品の写真を見ながら注文できるように大幅変更しました。一方、購入点数が少ない方の中には、「注文票があればカタログはいらない」という方もいらっしゃいます。

商品写真入注文票

「たくさん買ってもらうために分厚いカタログを配る」方法が必ずしも正解ではないと思います。購入数の少ない方に分厚いカタログを毎週お届けするよりは、このようなすっきりした形で必要なものを購入していただき、注文数を増やす施策については、別の形でアプローチするという方法もあると考えています。

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コープCSネット塩道専務理事のインタビューは後編へ続きます!
後編では、DX推進にあたって大切なことや、組合員さんや未来の組合員さんから今後も生協が選ばれるために必要なことについてお聞きしました。お楽しみに!

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