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生協DX学習会レポートvol.2 ~多様性のあるチームで、永続的な組織を作る~(後編)

こんにちは!DX-CO・OP note担当のさきむらです。
このnoteではオムロン株式会社の竹林一さんを講師としてお招きした生協DX学習会の様子をお届けします!

▼前編はこちら

今回は、オムロンの竹林一さんのプレゼン「イノベーションをデザインする 多様性のある人材が、永続的に価値を提供する〜起承転結人材育成論〜」から、「起承転結」型人材がバランスよく配置された組織の強さについて迫ります。

【竹林 一 プロフィール】
オムロン イノベーション推進本部 インキュベーションセンタ長。
オムロンで駅務システム開発部にて国内・海外の駅務システムSE、スルットKANSAI、関東パスネット等大規模システムを開発プロジェクトリーダーとして推進。以後新規事業開発部長、グーパス推進部長、ICカード・モバイルソリューション推進室長、オムロンソフトウェア(株)代表取締役社長、オムロン直方(株)代表取締役社長、オムロンヘルスケア(株)執行役員、ドコモ・ヘルスケア代表取締役社長等を経て現職。

●価値を創造するにはバラエティに富んだ人材が必要

新しい価値を生み出すためには、バラエティに富んだ人材、「起承転結」型人材のすべてが必要になります。

「起」の人は10年先のこと考え、「承」の人がそのグランドデザインを描いて5カ年の中期計画を立て、「転」の人が3カ年の中期計画を立て、「結」が今年1年頑張るという役割になります。どの人材が良い悪いではなく、全部の人材がバランスよく必要であり、組織がその時間感覚を持っているかどうかが重要です。

大きく分けると「起承」人材はイノベーションが得意で、創業者や起業家が多いですね。「転結」人材はオペレーションが得意で、番頭さんの役割です。

●「起承」が忍者で「転結」が武士

「起承転結」を開発に例えると、「転結」がウォーターフォールで、失敗が許されない安定重視の開発手法、「起承」がアジャイルで、スピード重視で時代の変化にいち早く対応して開発する方法です。

ウォーターフォールは武士の仕事(転結)、アジャイルは忍者の仕事(起承)とも言えます。武士の仕事は、失敗したら切腹しなきゃいけない。だから稟議を回しながら慎重に行います。でも忍者は失敗しても切腹しないし、失敗は挽回します。稟議を回している暇もなく、現場の状況に合わせて臨機応変に対応していきます。

例えば、サービスが1個成功して会員を100万人獲得したとします。100万人のデータベースの管理の仕組みは「転結」で作っておく。でもその100万人会員獲得までのお客様とのやり取り、操作性等は「起承」でどんどん作り直しながらやっていく。「起承転結」人材を、このようにバランスよく配置していくことが今の時代に求められているやり方というわけです。

●「起承転結」人材の掛け算ができる組織は強い

ここ10年~20年の日本企業は、武士の文化で勝ってきたため、現状では「転結」が多く存在しています。最初に賞味期限切れのビジネスを、古くなったうどんに例えましたが、創業期おいしいうどん(起承)ができた後、改善(転結)を繰り返してきたわけです。でも創業者がいなくなり、うどんが腐ってきたのですよね。そこでもう一度軸を考え直す「起承」人材の需要が高まってきていて、注目されるようになってきました。ただ、だからといって「起承」人材が「転結」人材より優れているというわけではありません。

経営課題を考えるときも、「起承転結」人材それぞれにお題を出して、個別の回答を得るより、それぞれの回答を開示し合ってお互いのアイデアを取り込んだ上で、出てきた課題のほうがより幅が広がっているものです。「起承」の人がたくさんいる組織ではなく、この掛け合わせが自然に起きる風土や組織が強いのです。

「起承転結」のどれもが欠けてはならず、バランスよく「起承転結」人材を配置することが重要だということは忘れないでください。

●起承転結人材と組織の問題を考えるグループワーク

竹林さんのプレゼンテーションの後、3〜5名でチームとなりグループワークを行いました。

《代表的な発表内容》
■コロナで日常が変化して、「起」のような新しいアイデアがより求められているように感じる。新しいものを生み出すのは難しいが、新たな捉え方をして生み出していきたい。

■組合員活動、システム、役員といろいろな立場の人から、DXで何をやるべきか共有できた。

■DXって新しいものを生み出さないといけないと思っていたけど、改善も大事。「全部大事」という話が聞けてよかった。まさにダイバーシティー&インクルージョンだと思った。

この発表を受け、竹林さんは「『そもそも生協って何だったの? なんで会員制?』という『そもそも』を分析すると、『起承』の発想が生まれると思う。また、『起』の人材は必ずしも内部の人でなくてもいい、外部の力を借りるという方法もある」とコメントしました。

河野プロジェクトリーダーからは、「『起承』で考えられたことを誰がちゃんと受け止めるかは大事。思いついたものを投げても受け止める人がいないと、ものにならないし掛け算にもならない」という課題の提示もありました。

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「多様性のあるチームで、永続的な組織をつくる」いかがでしたでしょうか?自分自身としてはDXを進めるにあたり、今は忍者の仕事が多いなと感じています。
シュシュっと身のこなし軽やかに、仕事を進めて行きたいなとイメージが湧き、とても面白い学習会でした♪
自分が「起承転結」のどのタイプに当てはまるか、組織として起承転結ができる体制か、客観的に捉えるのも大事なことですね!

【お知らせ】

この度12月24日クリスマスイブに竹林さんが本を出版されます! 
気になる方はぜひお手に取ってみてください。

『たった一人からはじめるイノベーション入門』(日本実業出版社)


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