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生協DX学習会レポートvol.4~仕事の効率が大幅にアップする最新ツールと活用例~(前編)

学習会もいよいよVol.4まで来ました。
この学習会では、具体的で身近な導入事例や、すでに起こっている事象を知ることでDXの底上げを図り、パートナーのスタートアップや次世代顧客のデジタルネイティブ世代のスピード感に対応できる素地を作るのが目的です。

今回は、Product Founderの増井雄一郎さんを講師としてお招きしました。プレゼン「仕事の効率が大幅にアップする最新ツールと活用例」では、デジタルツールの紹介と増井さんがどのようにデジタルツールを使ってきたかを話していただきました。

【増井雄一郎 プロフィール】
Product Founder & Engineer
Bloom&Co. CTO(最高技術責任者)
中学生の頃からプログラミングに興味を持ち、高校生の頃にはアルバイトでシステム制作を担うように。大学在学中、1999年にWeb制作会社を創業。その後フリーランスのエンジニアを経て、2008年アメリカに拠点を移しシアトルでBigCanvas,Inc.を創業。世界初の写真共有SNS iPhoneアプリをリリース。2011年に現ミイル(株)を、2013年に(株)トレタを創業。2019年7月にBloom&Co.に参画。著書「Ruby技術者認定試験合格教本 Silver/Gold対応 Ruby公式資格教科書」など複数。

プレゼン「仕事の効率が大幅にアップする最新ツールと活用例」

●記録と共有が最大のメリット

この10年間で仕事のやり方で一番変化したのは、使用するアプリです。まず、メールをほとんど使わなくなりました。また、Google DogsやOffice Online を使うので、パソコンにソフトをインストールすることもなくなり、代わりにスマホにアプリを入れて、会社のチャットが入るようにしました。

もう一つは、自分で調べられることが増えたことです。例えば新しい会社に入ったら、上司や関係者にヒアリングする必要がありましたが、今は社内のドキュメントを自分で調べることができます。

デジタルツールのメリットは、記憶に頼らなくてもよく、他人と共有できるのでより周りがよく見えるようにもなることです。こういったメリットはどんなツールによって形成されるのか、具体的にお伝えしたいと思います。

●おすすめツール紹介

  1. コミュニケーションツール・ドキュメント共有ツール
     メールに代わって利用されているのが、チャットです。LINEやLINE WORKS、Facebook Messenger、ビジネス用のSlackや Chatwork、Google Chat、Microsoft Teamsなどがあります。ビデオ会議ツールは、ZoomやGoogle Meet、Skypeなど、どんどん高度化しています。

    チャットbotもよく使われるようになりました。例えば「営業時間を教えて」と聞くと「10時から7時です」と自動応答があります。社内向けのチャットbotもあり、オンラインで売れたらSlackに通知が来るとか、問い合わせメールがそのまま Slack に投稿されるなど、メールや外部のツールとつないで集約ツールとして使われています。

    Google Docsでは、提案モードをよく使います。他の人が書いた文章に「提案モード」で書き込むと、誰がどこを書き換えたかという履歴が残ります。ホワイトボード系で有名なのは、WhimsicalやMiroです。ビデオ会議の際、表や写真を貼って、皆で書きながら議論できます。書いている端から全て記録され共有することができます。

  2. ナレッジ共有・ファイル・スケジュール共有ツール
    notionやGoogle Siteなどがあります。Google Docsは1枚ずつバラバラですが、リンクを貼りながらツリーで管理し、メモを残して共有することができます。

    Google DriveやDropboxなど、ファイルをやり取りするだけのツールもあります。メールを使うと宛先を間違った場合取り消しができませんが、ファイル共有の場合は間違った相手にURLを送っても消せるので、セキュリティ対策として使われています。

    Google CalendarやMicrosoft Officeがあります。各人が自分の予定や作業内容もカレンダーに登録し、それを社内で公開して使うことでスケジュール調整などがとても効率的になります。このカレンダーには会議などの予定以外に、「考える時間」や「〇〇の作業時間」など個人的な作業の時間、「ランチ」や「移動時間」なども記載しておきます。

    これを公開することで、相手に「いつ空いてますか」などの確認をする時間が省けますし、社内のことであれば先に予定を確認して入れておき、その後でチャットなどで了承を取ることもできます。

  3. タスク管理ツール
    最も導入に苦労して、最も効果が高かったのが、タスク管理ツールです。

    お願いしたいことや作業単位で、1枚のチケットに書いて貼ります。To do、Next、In Progress、Doneと分かれており、ポストイットで貼っていくイメージです。一つひとつにチャットのようなものがついていて、「ここの意味がわからない」とか「追加ファイルください」といったやりとりができます。サブタスクという形で他の人に細分化して仕事を投げることもできます。

    チャットで「何々をしてください」と書けば済むことを、一つひとつ書いていくので面倒ですが、依頼したことや、誰がどれくらい仕事をしているか、ここで見える化されていて、定期的にこの棚卸をメンバーで行っています。

    ソフトウエア開発の世界では、このタスク管理をチケット管理と呼んで、もう10年以上一般的な仕事ツールとして定着しています。誰かに仕事依頼するときも全てチケットを切り「いつ、誰に、何を頼んでどうなったのか」が明示されるようになり、リモートワークや外部との連携、業務委託などを含む幅広い働き方のチーム構成が取れるようになりました。生産性は非常に上がりますが、習慣をつけるのが大変で、導入には業界全体として非常に苦労しました。

●これらのツールで変わったこと

「目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない」というエンジニアの格言があります。一人では気づかないことでも、多人数なら気づくことができます。また、作業の抱え込みが減ります。説明するくらいなら自分でやったほうが早いと思いがちですが、タスクのリストになっていれば、それを受け渡すことで次の作業が楽になります。

DXを進めると面倒なことが増えます。本末転倒ですが、どうしても始めなければいけない山があるのです。まず個人の生産性を上げ、その上で組織としてどうするかという話ができると前向きなのではないかと思います。

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「仕事の効率が大幅にアップする最新ツールと活用例」はいかがでしたでしょうか?
自分の経験を思い出すと最初に慣れるのが一番大変だったことを思い出しました。便利なツールをどのように使いこんでいくかには、トレーニングや訓練によって利用を習慣づけることから始める必要がありますね!社内のマインドを変えるのにこの学習会が役立てばうれしいです。
次回(後編)では、DXを推進していく上で大切なこと、必要な人材について考えます。お楽しみに!